The Meaning of the Built Environment: A Nonverbal Communication Approach

個人の思いや文化の違いといったものは、計量することが困難なため 建築や都市計画、地域計画の現場ではこういった感情は無視されます。その口実に合理性や最適性が引っぱり出されます。しかし、結果がどうなったかは、私達はもう思い知っていることでしょう。人それぞれ、文化それぞれで自分たちの生きている環境に対しては、様々な思いがあります。他人にとっては取るに足らないものであっても、かけがえのないものだってあります。人によって町が作られ、その作られたものに住まう人々が新たな思いを加えていく。このことをどう調査し考えて行くか、著者は質的な思考と記述によって一つの筋道を提示しています。十年以上前の著作ですが、建築や都市計画の分野でこの著者の後に続く研究者が出てこないのが不思議です。